「日にち? えっと、たしか……
あぁ ほら 」
そう言って木葉さんはポケットから取り出した携帯の画面を俺に見せる
そこにはしっかりと
『8月13日』
と記されてあった
「やっぱ、そうですよね……」
木葉さんの様子を見るかぎり今日が8月13日だということに驚いた様子はない
だとするとやっぱり俺が『8月13日』だと思っていた『昨日』は全部夢だった。ということになる
「 なになに?今日なんかあんの? 」
あまりの俺の落胆さに驚いたのか
木葉さんが携帯をしまいながら聞いてくる
「あー……いえ。 ちょっと気になっただけです。」
できれば木葉さんにも相談したかったが自分でもあまり理解できてないこの状況を他人に相談するのは難しい。
そう判断して俺は適当に言葉を濁らせた
すると木葉さんは少し考えた様な素振りをして
そっか、と一言だけ言って後はなにも聞いてはこなかった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。