木葉さんと歩くこと数分
校門近くまで来たところで
そーいえば、と木葉さんが口を開いた
「木兎 今日は来なかったな 」
いつもならこの時間に木兎さんも来るということなのだろうか。
木葉さんの言葉に一瞬あの『事故』の出来事が頭によぎったがそんな訳がないと言い聞かせて
夢の中の『昨日』の朝を思い出す
「…… あー それなら、、、」
……思い出した。たしかこの後に、、
そう思ってチラッと後ろを見ると全速力でこちらに向かってくる人影が見えた
(…… はぁ。やっぱり )
ため息をついて 自分が今まで歩いていた位置から少しだけ左に移動して 少しだけ前を歩く木葉さんに声をかける
「木葉さん、後ろ注意した方がいいかもしれま───
そう言い終わらないうちにその人影が俺の横をビュッ!と通って前の木葉さんに突進した
ドン!っという鈍い音と共に聞こえる木葉さんの悲鳴
「いっっっ、!? てーな!!!!
誰だよ!!??って、お前かよ!!!! 」
腰を強打したのか さすりながら後ろを振り向いた木葉さんはその突進してきた人物に声を荒らげる
俺も呆れながらその人に声をかける
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!