第5話

ヤンキー君のお泊まり①
1,889
2017/09/09 14:08
出会って5日目(土曜日)。
起きたばかりの獅子頭のスマートフォンに、メッセージが1件あった。
獅子頭
獅子頭
早いな...今まだ10時だぞ?
メッセージは冬獅郎からだった。
送信時間は9時すぎと表示されていた。
冬獅郎(スマホ)
冬獅郎(スマホ)
おはよう

多分まだ寝てるでしょ?既読は10時とかなんだろうねww

公園には10:30に集合ね。時間決めてなかったから。
まあ10分は遅れてくるだろうけどね。

それと、よかったら泊まりでもいいよ。
本は山のようにあるからね。
獅子頭
獅子頭
...冬獅郎の「ww」なんか怖いな(ゾワゾワ

((つか!アイツなんでもお見通しかよ!))
獅子頭はベッドから勢いよく起き上がり、急いで泊まりの準備をした。
獅子頭
獅子頭
今日明日泊まってくっから!
はいはい。気を付けてね〜(無表情)
家を出て、急いで公園へ向かった。
公園には10:40に着いた。
冬獅郎はいつものように、同じベンチで本を読んでいた。
獅子頭
獅子頭
とーしろー!
名前を呼びながら走ってくる獅子頭を見て、冬獅郎はため息をついた。
冬獅郎
冬獅郎
やっぱり40分だったね。
で、泊まるの?
獅子頭
獅子頭
一泊分は大丈夫だ!
獅子頭は輝かせた目を冬獅郎に向けた。
冬獅郎は本を閉じ、立ち上がった。
冬獅郎
冬獅郎
一応部屋は用意してあるよ。
近くだから、歩いて行こうか。
無言で歩き出した冬獅郎を、獅子頭は速歩で追いかけた。
冬獅郎は、3LDKのアパートに住んでいた。
冬獅郎
冬獅郎
大学生になってから一人暮らしなんだ。
部屋は自分のと、本棚だけのと、客人用の部屋。
獅子頭が泊まるのは客人用の部屋ね。
獅子頭
獅子頭
りょーかいッス
冬獅郎
冬獅郎
じゃあ俺は、先に本見てるから。
荷物を部屋に置いた獅子頭は、冬獅郎の所へ行った。
部屋の中は窓が一つと、たくさんの本棚が壁を埋め尽くしていた。
本棚は、たくさんの本でいっぱいだった。
新しいものは少なく、ほとんどが使い古されたものだった。
冬獅郎
冬獅郎
このたくさんの本は、俺の母さんが読んでいたのがほとんどなんだ。それに俺のがプラスされてる。
好きなの取ってっていいよ?
獅子頭
獅子頭
冬獅郎の母さんも、本好きだったんだな〜!
冬獅郎
冬獅郎
うん。最期まで好きだったよ、本の世界が...
獅子頭にはよくわからなかったが、少しやばい空気になったのはわかった。
冬獅郎
冬獅郎
それじゃあ、お昼作るから手伝って。
獅子頭
獅子頭
何作るんだ?
冬獅郎
冬獅郎
えっと...パンケーキ。
2人は一緒にパンケーキを作った。

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