出会って5日目(土曜日)。
起きたばかりの獅子頭のスマートフォンに、メッセージが1件あった。
メッセージは冬獅郎からだった。
送信時間は9時すぎと表示されていた。
獅子頭はベッドから勢いよく起き上がり、急いで泊まりの準備をした。
家を出て、急いで公園へ向かった。
公園には10:40に着いた。
冬獅郎はいつものように、同じベンチで本を読んでいた。
名前を呼びながら走ってくる獅子頭を見て、冬獅郎はため息をついた。
獅子頭は輝かせた目を冬獅郎に向けた。
冬獅郎は本を閉じ、立ち上がった。
無言で歩き出した冬獅郎を、獅子頭は速歩で追いかけた。
冬獅郎は、3LDKのアパートに住んでいた。
荷物を部屋に置いた獅子頭は、冬獅郎の所へ行った。
部屋の中は窓が一つと、たくさんの本棚が壁を埋め尽くしていた。
本棚は、たくさんの本でいっぱいだった。
新しいものは少なく、ほとんどが使い古されたものだった。
獅子頭にはよくわからなかったが、少しやばい空気になったのはわかった。
2人は一緒にパンケーキを作った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!