第6話

ヤンキー君のお泊まり②
1,702
2017/09/10 02:43
2人は一緒にパンケーキを作っていた。
獅子頭
獅子頭
卵をボールに入れる、と...

((卵、俺やると潰れちまうんだよな...))
獅子頭は卵にトラウマがあって、割るのに抵抗があった。
止まってしまった獅子頭手を、冬獅郎が後ろから被せるよう重ねた。
冬獅郎
冬獅郎
こうやるの
大きな冬獅郎の手は、獅子頭の手を簡単に包み込んだ。
自動で動く自分の手と冬獅郎との距離感のせいか、獅子頭の頭は真っ白だった。
獅子頭
獅子頭
((なんで卵割れてんの!?てか、冬獅郎近い!てか意識すんな俺!!))
冬獅郎
冬獅郎
どう?やり方覚えた?
冬獅郎の手が離れ、やっと獅子頭は現実世界へ戻った。
獅子頭
獅子頭
お、おう。ありがとう...
冬獅郎
冬獅郎
うん。それじゃ、次の作業うつるよ。
次はね...
冬獅郎は作業の流れを説明したが、獅子頭は頭がさっきの出来事でショートしてしまい、あまり聞いていなかった。
獅子頭
獅子頭
((なんでドキドキしてんの!?どうした俺!?))
冬獅郎
冬獅郎
...ねぇ、聞いてる?
獅子頭
獅子頭
...っ!いや!わりぃ。
聞いていなかった...
冬獅郎
冬獅郎
...いいよ。じゃあ、あとは俺が作っとくから、テーブルで待ってて。
しょうがなく、獅子頭はダイニングに向かった。
しばらくぼーっとしていると、甘い匂いが獅子頭の鼻をくすぐった。

パンケーキをのせた皿を、冬獅郎が運んできた。
冬獅郎
冬獅郎
はい、お待ちどうさま。
(皿を置く)
獅子頭
獅子頭
あ、ありがと。
2人は手を合わせ挨拶をすると、ナイフとフォークを手に取った。
そして、切った部分を口に入れた。
獅子頭
獅子頭
美味い!お前スゲーな!
いくらでも食える気がする!
獅子頭はパンケーキを頬張った。
冬獅郎
冬獅郎
ありがと。もっと食べる?
てか、食べそうだね。
冬獅郎はパンケーキがのっていた皿を見て言った。
2人で分けて食べる予定だったパンケーキたちは、食べ盛りの男子高校生には足りなかったようだった。

冬獅郎は再びキッチンへ戻った。
少し待つと、先ほどと同じように、パンケーキが皿にのってきた。
獅子頭は目に星を浮かべて待っていた。
獅子頭
獅子頭
再びいただきます!
獅子頭はまたパンケーキを頬張った。
冬獅郎
冬獅郎
よく食べるね。
俺の4倍は食べてるんじゃない?
獅子頭
獅子頭
4倍はないだろ...
せめて3倍だ!
獅子頭が食事に夢中な中。
冬獅郎の顔には笑みがこぼれていた。
冬獅郎
冬獅郎
...!?

((...俺も、笑えたんだな))
獅子頭
獅子頭
ごちそうさまー!美味かった!
冬獅郎
冬獅郎
獅子頭と食べる時は4人分必要なんだね
獅子頭
獅子頭
食べ盛りバンザイ(棒)
食事を終え、2人は食器を片付けた。

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