2人は部屋に戻り、寝る支度を済ませた。
時計を見れば、もう21時だった。
なのに、獅子頭は読書に没頭していた。
冬獅郎は、獅子頭の本を彼の後ろから取り上げた。
獅子頭はソファーを離れ、部屋へ向かった。
お互い手を振り、獅子頭は部屋の中へ入っていった。
冬獅郎はソファーに崩れ落ちた。
冬獅郎は手に持っている本にしおりを挟み、テーブルの上に置いた。
冬獅郎は自分の部屋へ入っていった。
冬獅郎がベッドに入り目を閉じると、部屋の戸が叩かれた。
(コンコン)
すると、ドアがゆっくりと開いた。
開いたドアの隙間から、獅子頭が中を除いていた。
獅子頭は何も言わず、顔を赤くした。
獅子頭は顔をうつむかせ、部屋に入っていった。
そして、冬獅郎のベッドに潜り込んだ。
顔を見せてくれない獅子頭の頭を、冬獅郎は優しく撫でた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!