どうして、こんなに素敵な笑顔を見せてくれるんだろう。
好きだ。ホントに、シルクのことが。
…私はシルクが羽織ってくれたジャンバーの匂いを少し嗅いだ。
気持ちが落ち着く、優しい匂い。
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オフ会が始まり、メンバーが到着した。
私の近くにいるのはシルク。
私と目があうと、クシャッとした笑顔でこちらを向く。
私は少し照れながら笑った。
いきなり、後ろから声かけられた。
その声は…モトキだった。
借りたのバレたら、もしかしたら、シルクが怒られちゃうかもしれない…
そう思って、何も言えないで戸惑っていた。
優しい対応をしてくれた、モトキ。
天使だね。ほんとに。
…でも、後でシルクはなんて話すのかな…
借りただけだし、大丈夫だよね…?
シルクは私のことなんて、リスナーの1人としてしか見てないし…
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しばらく経ってから、シルクが私の隣にきた。
自分が寒いはずなのに、私のことを心配してくれるシルク。
ますます好きになってしまう。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。