第4話

守りたいんだ
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2017/09/10 12:41
鈴
そういう性格だから、心配なんだってば...!
相手のことばっか考えてるし、相手にばっか合わせて自分のしたいこと出来てないし、自分ばっか苦労してる...
あなた

そんなこと...

鈴
ある!
「そんなことない」という言葉を、鈴は言わせてくれなかった。

そして、今わかった。

鈴が毎日のように言う「好き」は、軽はずみで言ってるんじゃないってこと。
鈴
あなたちゃん無理する人だから、俺が守ってあげたいなって...
あなた

...バカだね、アンタ。
私を守りたいって...

鈴
そうだよ...バカだよ...
あなたちゃんしか見れないバカですよ...
あなた

...はいはい。鈴の気持ちはわかったよ。
でも、女子には特になんもされてないから大丈夫。

私はいつものようにきつい言い方はしないで、自分なりの優しい声で言った。

すると、鈴の腕の力が弱まり、私は鈴から離れた。

鈴の表情は辛そうな感じだった。
あなた

もう私は大丈夫(ニコッ

私は自分なりに微笑んでみたけど、鈴は不思議そうな顔で私を見ていた。
鈴
大丈夫なら...なんで、泣いてるの?
あなた

...え?

鈴に言われて初めて気が付いた。

私の目からは、水の粒がたくさんこぼれていた。
あなた

え、なんで?
止まんないよ?

...認めたくなかったけど、多分鈴の言葉にホッとしたんだろう。

こんなに誰かに大切にされたことがないから...
鈴
心が楽になったかな?
よかった(ニコッ
鈴の顔は、いつもみたいに笑っていた。

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