第16話

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2017/10/08 10:36
鈴の顔は、見るからに辛そうだった。早く保健室に行きたい・・・・。
あなた

私も・・・鈴が辛いの見てられない!

鈴
あなた・・・ちゃん・・・?
鈴の顔は、驚いた表情だった。
私の顔には涙が流れていた。
あなた

私に捕まっててね

私は鈴の腕を肩に回した。
鈴
あなたちゃん・・・俺重い・・・から・・・
あなた

いいから!力入るだけ入れて歩いて

鈴
あなた・・・ちゃん・・・
授業の始まるチャイムが聞こえた。
私は鈴を支えながら、屋上から校舎に入り、保健室へ続く道を歩いた。
みんなが登校してくる東校舎の廊下に、人は誰一人いなかった。その方が好都合だ。
あなた

失礼します

保健室にはすぐに着いた。
挨拶をすると、奥から男の先生が出てきた。
先生
こんにち──って、どうしたお前ら!?
あなた

雨に濡れました。それより、鈴が熱出てて・・・

先生
顔色悪いな・・・まず2人とも服脱げ!濡れてたらお前まで風邪ひくぞ!
私は先生からジャージを渡されてベッドに誘導され、カーテンを閉められた。
ジャージのサイズは、私には少し大きかった。普通にしてても萌え袖・・・・。それより!
あなた

鈴は!?

カーテンを開け、鈴の名前を呼んだ。
目の前には先生がいて、鈴は隣のベッドに寝ているとのことだ。
先生
少し高い熱だ。早退させた方がいいだろう
あなた

じゃあ、私が送ります

先生
え、お前も帰るのか?授業まだ──
あなた

行きたくないです。もう帰ります

先生
そ、そうか・・・
私は先生の了承を得、鈴が起きるまで保健室で待つことにした。

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