第20話

隠す
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2017/10/29 04:15
鈴(スマホ)
鈴(スマホ)
復活した!あなたちゃんのおかげだね。今何してる?
休んでること知らないのだろうか。その後もいくつか通知が来た。
なんだいきなり帰ったのか。調子は悪くないのか。他にも色々と聞いてきた。いちいち返すのがめんどくさい・・・。
私は時間を確認し、電話をかけた。
鈴
あなたちゃん大丈夫?
あなた

平気

鈴
今教室?会いに行っていい?
あなた

えっとねぇ、まだ登校中

鈴
迎えにいく!
あなた

迎えに来て学校戻ったら遅刻なるよ?

鈴
うっ・・・
声しか聞こえないけど、どんな表情をしているのかは、想像がついた。
あなた

もう言うことない?切るよー

鈴
えー
正直言うと、鈴の声を聞きたいと思ってしまった自分がいた。なんか居心地がよかった。
あなた

じゃあね

鈴
え、ちょ、待った!
強制的に切りたいのに・・・。
私はため息をつき、スマホを耳元へ戻した。後でうるさそうだし。
あなた

何?

鈴
好きだよ
あなた

なっ・・・!

鈴
それじゃあね〜
私が固まっている間に、通話が切れた。

俺が教室に入ると、モテモテイケメンがにやけてた。
誠
どうした、お前
鈴
ん?おはよ〜
初めてイケメンな奴を、気持ち悪いと思った。
ニヤけてるそいつの手を見ると、画面が開かれたままのスマホがあった。
これで確信した。あなた関係だな。
誠
なんだ?好きとでも言われたか?
鈴
ちがうよ〜。あなたちゃんから電話くれたんだ〜
誠
どうせ、お前が質問攻めでもしたんだろ?いちいち打って応えんの面倒だから、電話にしたんだろうな
自分の席に着き、準備をしながら、後ろにいる鈴の相手をした。
誠
で、昨日どうしたんだよ
鈴
昨日?
うわ。アホだ。察しろよ!
誠
帰ったろ
鈴
あぁー!熱出ちゃってね。まぁ、そのおかげであなたちゃんと帰れたんだけど
熱出してフラフラ状態だから早退して、次の日復活してピースするやつを、俺は初めて見た。
呆れながらも、俺は鈴の方を振り返った。すると、さっきからこいつは、登校中の生徒がいる、校門を見ていた。
誠
何見てんだ?
鈴
あなたちゃん探し
誠
あなた探し?
本当は、今日の朝に、あなたの母さんと会った。その時に聞いたのが正しかったら、あいつは休むはずなんだが・・・。
誠
あいつ、今日来んのか?
鈴
体調はいいって言ってたし、登校中らしいし
鈴は外から目線を外し、俺の顔を不思議そうに見てきた。まさか、聞いてないのか?
ここは言った方がいいのだろうか・・・。
鈴
・・・何か隠してるでしょ
そう言う鈴の目は、濁りがない、真剣な目だった。

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