無料スマホ夢小説ならプリ小説 byGMO

1,278
2017/11/04

第25話

部活
結局、今日は教室に行けなかった。
少し前に帰りのHRも終わって、今は廊下から生徒の声かたくさん聞こえる。
先生
今日はゆっくり休んで、落ち着きなさい
あなた

はい・・・

先生に礼をして、私は保健室を出た。
戸を閉め廊下を右に進むと、後ろから名前を呼ばれた。
鈴
あなたちゃーん!
あなた

うるさい

走ってくる鈴は、いつもの制服は着ていなかった。短パンに前開きジャージの姿も、なんかかっこいいと思えてしまう。
鈴
ごめんごめん。もう帰るの?
あなた

うん。人も少なくなってきたし

鈴
じゃあ、部活来てくれない?
鈴はたしか、バスケ部のエースだ。それに、3年生引退後のキャプテン候補らしい。
あなた

遠慮しとく。女子いっぱいいそうだし

鈴
んー・・・。あなたちゃんに拒否権はありませーん
鈴は強引に私の腕を引っ張り、私の行きたかった方向とは反対方向へ向かった。
体育館への渡り廊下を進むと、だんだんボールが弾む音と、キュッという足音が聞こえてきた。もう練習は始まってるらしい。
体育館への扉を開けると、鈴はジャージを渡してきた。
あなた

え、ちょっ・・・

鈴
預かってて
ニカッと笑うと、大きな背中はコートの中に走っていった。手に持っているジャージからは、鈴の家に行った時の匂いがした。
あなた

終わるまで帰るなってことか・・・

ジャージから視線をずらし体育館内を見ると、バスケットボールをつく鈴の姿があった。一瞬目が合った気がしたけど、私は赤くなった顔を隠すために目をそらした。
鈴が体育館から出てきたのは、たぶん1時間後。割れながら恥ずかしいことに、ずっと練習を見てしまった・・・。
鈴
お待たせ~
あなた

うん。はい、ジャージ

鈴
ありがと。んじゃ帰ろ!
鈴はジャージをスポーツバッグに突っ込み、私に手を伸ばしてきた。少し躊躇ったが、私は手を取った。
恥ずかしくて、顔を少し下に向けた。鈴の笑う声が聞こえて、更に恥ずかしい・・・。
あなた

わ、笑うな・・・!

鈴
ごめん。さ、帰ろ!
鈴に引かれながら、私たちは生徒玄関へ向かった。
靴を取ると、妙に重かった。中を見ると、画眉の山が・・・。
あなた

古いっ!

思わず声に出してしまった・・・。
私の声に反応し、裏から鈴が出てきた。
鈴
あなたちゃんどうしたの!?
あなた

あぁ、コレ見てよ。手口が古い

鈴
ほんとだ・・・。コレはないね
イタズラ自体は別にいいけど、画眉はない・・・。
私は画眉の山を靴から取り出し、とりあえず持っていた袋にまとめた。
鈴
ていうか、こんなに入ってたら気づくよね。気づかないで踏むのが、成功なのに
あなた

相当アホだよ、コレやった人

袋に入れた大量の画眉を見て、小さくため息をついた。
鈴
でも、この袋どうする?
あなた

明日先生に渡すかな

重くなった袋をバッグに入れ、校舎を出た。
空は少し赤くて、東の方はもう黒くなり始めている。親になんか言われそう・・・。
鈴
ねぇあなたちゃん
後ろから鈴に呼ばれ、私は振り返らないで、適当に返した。
今度は何を言われるのだろう・・・。
あなた

なに?

鈴
俺のこと、本当に好き?
あなた

うん。・・・ん?

そこで初めて、鈴の方へ顔を向けた。
鈴は私の方へ歩いて来ることもせず、鋭い視線で私を見ていた。