第6話

デートその1
315
2018/03/01 05:45
藤井流星
デートしようや
あなた

どしたの……?

藤井流星
行きたなってん
珍しくりゅうからのお誘い。りゅうの近くは心地いいから、断る理由は私にはない。
あなた

お待たせ、ごめん待ったよね……

藤井流星
いや、大丈夫や。俺も今着いたとこやし
あなた

どこ行くの?

藤井流星
買い物。ええ?買いたいもんあんねん
あなた

いいよ

りゅうが入ったのはアクセサリーショップだった。新しいのを買うのか、兄妹に買ってあげるのか。
藤井流星
これ、可愛ええな
あなた

ほんとだ、可愛いっ

りゅうが手に取ったのは華奢なシルバーのピアス。
あなた

どっちに買ってあげるの?

藤井流星
え……?
あなた

え?

ピアスが女物だったから二人のうちどっちのかと思って聞いたのに、りゅうはぽかんとしている。
藤井流星
あなたの分、やけど……。嫌やった?
あなた

私、まだ開けてないけど

藤井流星
俺がピアス選んでから開けてやりたかってん
あん時はごめんな、?って少し微笑んだ。はやい、の意味が分かってなんだかにやける。
それから私の右耳にはシルバーが輝いている。

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