昨日のことを思い出しながら放課後教室に四人で残り話をしていた。
みんなが黙り込んだその時、零鵺が静寂を切った。
零鵺が怒りながら窓の外を指差した。
零鵺に言われるがまま窓の外を見た白兎は普段の彼とは全く違う反応をした。
それが物珍しかったのか後の二人も窓の外を覗いてみたが、案の定同じ反応だった。
四人が見たものとは…………。
帰宅途中の蕾だった。あたりまえだがそれだけではなく蕾の隣にいる人が原因であった。
その人とは……十四宮貴澄だったのだから。
などと話してるうちに蕾と、貴澄は行ってしまった。
万莉に続き教室を飛び出て、四人揃って廊下を走っていた。
と、白兎が何かにぶつかった。
白兎にぶつかられた葉がいつものように不機嫌そうにきいた。
葉は表情ひとつ変えずに言った。
葉に案内してもらいながら五人で貴澄の家に向かう。その途中、万莉は気になっていたことを聞くことにした。
怖い思い出を思い出し、背筋が凍った三人をよそに葉が言った。
目線を合わせず話す葉を見て四人は顔を合わせる。
顔を見合わせながら笑う四人を置いて早足で葉は貴澄の家に向かう。
貴澄の家の前で疲れて動けなくなった万莉を待っていたら、扉が開き満面の笑みで貴澄が出てきた。
・・・・・・。一瞬時が止まったように静かになった。
その後零鵺が口を開いた。
貴澄が動揺しているうちに乱暴に家に押しかけリビングのソファを占拠した。
ソファに寝転びながら聞く
蕾ちゃんという衝撃の言葉に全員が固まる。
零鵺が切れた様子で言うと貴澄が涙目になりながら
と言いながら近くにあった額縁に入った写真でガードする。
また時間が止まったように静かになり、次は万莉が口を開いた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。