昨日、私と坂本想愛(サカモトソウア)の2度目の恋が終わった。
2度目の恋は私がただひたすら坂本くんが好きだった。
初めて坂本くんと付き合って色んなすれ違いで別れて
でも私も坂本くんも忘れられなくて坂本くんが2度目の告白してきた。
なのに…。坂本くんは私を振った。
あれから丸1日たった今でも、私は坂本くんが好きだった。
1階の玄関の方から寧々ちゃんの声がする。
寧々ちゃんは音楽部の部長でしっかりしていて、頼りないへなちょこな私のお姉さんのような人だ。寧々ちゃんは1組で私は3組だけど、休み時間に図書館でいろんな話をしたりしていて、とても仲のいい友達だった。
私は涙の乾いた布団から起き上がり、制服にパパッと着替えた。肩より少し下の外ハネの癖のある髪の毛をひとつにくくり、朝ごはんを食べずに玄関まで行った。親はふたりとも朝早くから仕事に出て夜遅くに帰ってくる。だから私がいつも起きる7時に、家にいるのは私ひとりだった。
南柊也(ミナミトウヤ)くんは、寧々ちゃんの彼氏。
3年2組の中でトップクラスの運動神経で、顔も性格もいいからすごくモテる。去年の夏に転校してきて、その時から寧々ちゃんと付き合ってるけど2人とも全然話さなかった。
私は寧々ちゃんに坂本くんと別れたことを話さないまま、3年1組の自分の席についた。坂本くんと同じクラスじゃなくてよかった。あ、寧々ちゃんに今日一緒に帰ろうって言わないとな。色々思っていると、1組でのイツメンの友達が登校してきた。
泉ちゃんが何か言いかけた時、隣の組の子が泉ちゃんを呼んで「また後で話すね」って言ってどっかいっちゃった。
なんで知ってたのかな、、実は泉ちゃんと坂本くんは1年の時に付き合っていた。別れた今も仲良しなままだ。
そう考えるとすごく心がモヤモヤした。
もう考えないでおこう。坂本くんの事も時間かけて諦めよう。
そう思った…
昼休み、私は寧々ちゃんと話していた。
いつも通りの世間話。寧々ちゃんの恋バナ。相談。
寧々ちゃんと何を話しても飽きることはなかった。
今日は体育祭のメッセージTシャツの事について話していた。
私たちの学校ではつい最近体育祭が終わったばっかり。
ハチマキ交換とメッセージTシャツとゆう伝統のものがある。
メッセージTシャツは、応援の時に使ったTシャツの裏の無地の所に、色んな人から体育祭お疲れメッセージを書いてもらうとゆうものだ。
寧々ちゃんはこうやって言い出すと止まらない。
私はメッセージTシャツをしようと思って買った。
20人くらいに書いてもらったけど、まだ隙間があるな…
あ、せっかくだし南くんにも書いてもらおっか!!
次が移動教室の寧々ちゃんと少し早く別れて、南くんの所へ行った。
後ろを向いていた南くんに呼びかけると、振り向いた瞬間目を丸くして私を見つめた。大きな瞳と綺麗な二重。薄い唇とシャープな輪郭に、ふわっとした髪の毛。唇の斜め上にある小さなほくろが顔のバランスを取っていてすごくかっこよかった。
それだけ言われて、私はうなずいて3組に戻った。
カシャッ
??「…証拠ゲット」
5時間目の理科の授業が始まった。
私は知らなかった。
これから起こる想定外な事件を…