まだ6時間目のはずなのになんで寧々ちゃんと泉ちゃんが…!?
しかも南くんと2人きりだから誤解されちゃう!!
そういって、ピンクのiPhoneの画面を私に見せてきた。
私が南くんにTシャツを渡しているときだ…
泉ちゃんが南くんを睨む。
お願い…2人ともやめて…!!
寧々ちゃんは南くんの手を握った。
南くんの左手。
…あれ??
南くんの左手になにかついてる…??
すると南くんは寧々ちゃんの手を振り払った。
ごめんなさい、ごめんなさい…
坂本くんと昨日別れたばっかなのに
南くんと一緒にいて落ち着けて
気づけばもっと一緒にいたいって思ってしまってた。
でも、泉ちゃんと寧々ちゃんとはもう…
南くんはそれだけ言って、ひとり公園を出てった。
寧々ちゃんは泣いてた。
綺麗な寧々ちゃんの顔が涙でぐちゃぐちゃだった。
私が謝ろうとしたその時。
泉ちゃんのカラコンを入れてる目がひどく怖かった。
そして泉ちゃんは、私の持っていたカバンのキーホルダーをちぎった。
水色のペロペロキャンディのストラップ。
泉ちゃんと夏休みに遠出したデパートでお揃いに買ったもの。
私は落ちたストラップを見つめた。
泉ちゃんが寧々ちゃんの手を引いて帰っていった。
私はその場に立ち尽くすしかなかった。
気づけば南くんが前に立っていた。
私は泣いていた。
すると南くんがまた私を抱き寄せた。
突然私の涙が止まった。
ふと。ほんとにふと思い出した。
南くんの、左手。
左手の薬指。
私は南くんをふりほどいて、南くんの薬指を見た。
それは10年前以来の2人の再会だった。。