『蓮兄、そのポール取って』
『はいよ。』
蓮兄からポールを受け取り、テントの布地に通す。
『大分出来てきたねぇ』
玲が腰に手を当て、言う。
汗を拭うその姿が私にはキラキラして見える。
『そうだねぇ。』
達成感でいっぱいだ。
『おいおい、二人とも、まだまだ完成途中だって。』
蓮兄が急かす。
ムッ
『蓮兄、邪魔!そこどいて!』
いろんな意味で邪魔です。
『ゆうはツンデレだからなぁ。もう可愛い!』
ムカつく。
そろそろヤバイよ。
私、爆発するかんな。
『うるさい!ほっとけ、秋原 蓮!』
『あらま、兎が跳びながら怒ってる。カッワイイねぇ。』
そういって、後ろから、抱き締めて頭を撫でられた。
普通さ。
これ、萌えるシチュエーションよね。
私、こんな冷静に冷たくなったの初めてかもしれない。
ドキドキのDもないから。
で、でも玲なら…
『赤くなった?照れてんじゃん。』
お前に赤くなったわけじゃないもん。
『イテッ』
弁慶の泣き所を蹴ってやった。
『ふぅ、解放。』
『兄ちゃんなにやってんだ。バカみたい。』
『だよね!ううっ玲ー!』
あっ危ない。
思わず、玲に抱きつきそうになっちまった。
って、玲赤い?
ふふっ。
こういうの効くのか。
蓮兄ナイスじゃん。
『あんたら、何じゃれてんの。』
お母さんが来た。
『お母さん!そっち、テントできた?』
『できたよ。あの酔っ払いを叩き起こしてね。』
…我が母ながら恐ろしい。
『荷物運ぶぞぉ!若者たちよ!』
『『『はーい。』』』
🌼
『よし、これで全部かな。』
疲れたぁ。
私はテントの中に寝っ転がった。
『俺も。』
玲も寝っ転がってきた。
うわ、近っ。
ドキドキドキドキ
心臓が音をたてる。
暫くしたら、
『ゆうー!』
蓮兄が私の上にのってきた。
『重いー!蓮兄どいてー!』
手足をバタバタしてもどいてくれる気配はない。
『いやだー!』
なんだ、蓮兄、駄々っ子みたいだ。
可愛くないといえば、嘘にならないよ。
…うん。
🌼
どうも!作者です!
ちょっと宣伝させて(・ω・`人)!
今日、『何を取って 何を捨てるか』完結したんやって。
読んで!っていうのと。
ハート押してくれたら嬉しいなあなんてゴモゴモ(T_T)
プリコンなんですよ。
あと、リクエスト下さいっ!
ほんと、なんでもいいから!
てかさ、蓮兄と主人公イチャイチャしすぎじゃね。
一応、イケメンな感でぃなんよ。
リア充爆発!
そうそう(長文失礼します。)
弟がさこないだいきなりリア充爆発しろとか言い出したわけ。
…は?
ってなった。
お前意味知っとんのか?
って聞いたら、なんか言ってみたかったんだとさ。
我が弟ながら恐ろしい。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!