プリ小説

第7話

理想の人と子供
「うわぁ、もう人いっぱいだねっ!」


放課後、体育館に吹部の演奏を聴きに行くと、多くの新入生が椅子に座っていた。


「あー、そうだね〜っ…

あ、あそこちょうど二つあいてるけど、座る?」


「ホントだ〜。

うん、じゃ行こっ!」


そう言って虹太くんと私は一番後ろの端っこのパイプ椅子のところへ。


「奥と手前、どっちがいい?」


「じゃあ…奥?」


「ハイ、どーぞっ!」


虹太くんは私を先に列に入れて、1番端の席に座った。


優しいなぁ…。


ちゃんとどっちがいいか聞いてくれる。


悠貴とは大違い!


って、なんで今悠貴が出てきたんだろ…。


「みなさん、こんにちはー!」


場内が暗くなってステージのライトがに注目がいく。


そして、部長さんであろう女の人がマイクを持って前へ出てくる。


「新入生のみなさん、改めて、ご入学おめでとうございますっ!」


そして吹奏楽部の説明から始まり、曲がスタートした。


最初はルパン三世のテーマ。


中学でも文化祭で演奏したけど、迫力が全然違う!


人数が多い分、演奏に重みがある。


かといって全部が大きいのではなく、強弱の変化が凄いの!


鳥肌が立った。


2曲目、3曲目、と続く。


主旋律の主張の強すぎないメロディに副旋律が合わせて綺麗なハーモニーが響く。


ほんとに凄い!


私、こんな所でやっていけるかな?


先輩たちの演奏を聴いてて、不安になっちゃったよ。





「すごかったね!」


コンサートが終わって、体育館を出る。


「だな!

やっぱ吹部の名門なだけあるなー!

今までの俺がやってきた演奏と全然ちげぇ!」


虹太くんの目がキラキラ輝いてる。


「やっぱこの高校に来てよかったわぁー!」


「うん、私もそう思った!

でもちょっと不安だなぁ…。」


私の実力なんかじゃ、迷惑かけるだけのような気がしてきた…。


「大丈夫だよ!

先輩があんなにスゲーのはそれなりの努力してんだって!

あなた…さんもたくさん練習すれば、きっと先輩たちを超えれるよ!」


虹太くんが励ましてくれる。


「…ありがとうっ。」


すごい、優しい人なんだなって思うよ。


それと…今…


「あのさ、私のことはあなたって呼びすてでいいよっ!」


ちょっと早いかな?


まだそんなに親しくもないのに、変かな?


「あ、分かったっあなた。

もしかして、オレが迷ったのバレた?」


「うんっ、なんか“あなた”と“さん”の間に変な間があった!」


やっぱり、当たってた。


女子は○○くんって呼べるけど、男子からあなたちゃんって呼ばれたら変な感じしちゃう。


だから“さん”にしたんだろーなって思ったし。


その後私達は吹部について色々語りながら教室まで戻ってカバンをとって、下駄箱に来た。


「そーいや、あなたって家どこ?」


「んー、近くだよっ。

だから私、チャリ通なの。」


「あ、そっかー、電車じゃないのか…。

んー、ホントはまだ話してたいとこだけど…ここでさよならだなっ」


虹太くんの残念そうな顔と“まだ話してたい”というセリフにドキッとする。


虹太くん…そんなふうに思ってくれるなんて…


もしかして、割と早くこの恋成就しちゃうんじゃないの!?


「そーだねぇ…」


「じゃあ、また明日!」


「うんっバイバイ!」


私は虹太くんの背中を見守る。


“また明日”ってことは明日も話していいってこと、かな?


「ふふっ」


顔がニヤける。


私はスキップしながら駐輪場へ。


「あ、悠貴。」


私が鼻歌を歌いながら自転車のロックを外してサドルにまたがろうとすると、ジャージを着た悠貴が来た。


「お、あなた、ご機嫌じゃんっ。

いいことでもあった?」


「うふふーっ内緒っ!」


「はぁ?つまんね。」


悠貴の冷たい反応にイラッ。


「うっさいなーっ!

悠貴は?

何部の見学?ってか体験?」


「あぁ、サッカー。

もしかしたらオレ、1年のうちにレギュラー入れるかもしんねぇ。」


カシャンッとスタンドを外して、悠貴が自転車に乗る。


「はぁ?

何バカなこと言ってんの、無理でしょ。」


私も悠貴のあとに続いて学校を出た。


1年生で、しかも今から言ってるって…その自信はどこから来てんだっ!


「いや、マジで。

今2年生が全然いねぇんだよ。」


「それでー?」


並列走行はダメとか言われてるので、前後になって大きい声で話す。


「んで、3年生が試合に出んじゃん?

だけど今日やってみた感じ、割とイケるかもって思ってよ!」


「はぁー?

そんな、1年生の部活体験なのに本気で相手する3年生いるかっ!

それに、練習だってキツいんでしょー?

ついていけんの?」


「任せとけって!」


なによ、バカでしょ。


何を任せるんだか…。


虹太くんと大違いだなぁ…って少し呆れる。


虹太くんが普通の高校生なら悠貴は子供だっ!

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*ゆうう*
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