第25話

ごめん
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2017/10/10 10:19
「じゃ、そろそろ帰るねっ!」


文化祭準備期間は部活もない。


「うんっ、ばいばーいっ」


七海に手を振る。


私はー…にじに残れって言われてたんだもんねっ。


もうだいぶみんな帰っちゃって残ってるのは数人。


そーだ、私まだここにいなきゃいけないんだし…


「ねぇ、あとの片付けやっとくから、もう帰ってもいいよー」


みんな早く帰りたいよね、きっと。


「ほんと!?助かるー!

ありがとうっ!」


「じゃあお言葉に甘えて!」


「うんっ、また明日〜」


よし、やろう!


机に広がってる紙をまとめて、ペンキ、洗わなきゃ〜…


廊下にある水道で筆を洗う。


あと何やればいいんだっけ。


あ、装飾品の個数とか確認しとこうかな…





よし、だいぶ片付いた。


一人で片付けを始めてから15分くらいでだいたいの片付けは終了。


「あ、あなたっ」


にじが教室に入ってくる。


「にじ、どこ行ってたのー?」


みんな帰ったのに一人で何してたんだか…。


「特にどこにも〜。

てか、めっちゃ待ってた?」


「そーでもないかな、片付けしてたし…。」


「え、一人で!?

ごめん、手伝えばよかったな」


「んーん、いーよいーよっ」


にじ待ってる暇つぶしだったし…。


「ところで、なんか用事?」


「あー、まぁ。」


「?」


「実はさ…」


え、なに…。


そんな改まって言うことなの…?


教室の静けさが緊張した雰囲気を醸し出す。


まさか、告…


「オレ、今日誕生日なんだよね。」


…白じゃなかった。


勘違い!


バカっ!


恥ずかしいっ!!


って…


「え!?」


にじの誕生日が今日!?


「なにそれっ!

早く言ってよ〜!

前もって言っといてって約束したよね!?

私何も準備できてないよ!?」


お金だって今持ってないし…あ、家帰ればいいのか。


「しゃーない、一旦家帰って買いに行こっ!

欲しいもの買う!!」


私はカバンを背負った。


「待って。」





なぜ止める。


「いいよ、モノはいらない。」


!?


「だから誕生日プレゼントに、オレと付き合って。」


!?!?


…え!?


どーゆーこと!?


ドキドキドキドキ。


胸の鼓動が速くなる。


顔が熱い。


「オレ、あなたが好き。」


「!」


…っど、どうしよう…。


にじといると楽しい。


考えてることも一緒で息が合う。


優しくて、頼りになって…。


私の…好きな人。


にじのこと、好きだよ、私も。


そう言おうとした。


そう言おうと、した。


でも。





「ごめん。」


私の口から出たのはその三文字だった。

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