第3話

2人の行き先
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2017/10/02 15:29
『夜の森には野獣が沢山いるから危ないよ』

よく遊び回ってた頃言われていたこと。
森には絶対入っちゃいけない。
何が出るかわからないからと。


白雪姫「でも、行かなきゃ…」

部屋を抜け、塀をぬけ、城を誰にもバレることなく逃げた白雪姫。
目の前には真っ暗が続く森の中。

昔、ママから教えて貰った。
ママの友達には小人さんがいたって。遊んでいた時、怪我をしたママを助けてくれて、そこから仲良くなったって。

小人さんは普通の人間よりも何倍も生きる。だから小人さんはいつもひとり。
私と同じ



白雪姫「もし、いるのなら……どうか…

私を助けて……」



私もひとりだから




ーーー



少年「どうしようどうしよう!!」

昨日、鏡が写した女の子を忘れることができず、城を抜けたあと馬車に乗り、隣町に行く…はずだった。

少年の目の前は暗く深い森。
辺りを見回すも家らしい家が一つもなかった。

少年「適当に歩いたらこんな所についちゃった……家に帰れないよ…。

でも、家に帰れた所で縁談……」

どちらにせよ後戻りができない状況なのは確かだった。
少年はべそをかきながら森の中へと歩み始める。

少年「熊さんじゃなくてウサギさんがでてにたらいいのにな…

熊出没注意!!じゃなくてウサギさん注意!!
……それ注意する必要ない…か。」

自分でも何を言ってるかわからないがとりあえず恐怖を取り除くため独り言を続ける少年だった。

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