『夜の森には野獣が沢山いるから危ないよ』
よく遊び回ってた頃言われていたこと。
森には絶対入っちゃいけない。
何が出るかわからないからと。
白雪姫「でも、行かなきゃ…」
部屋を抜け、塀をぬけ、城を誰にもバレることなく逃げた白雪姫。
目の前には真っ暗が続く森の中。
昔、ママから教えて貰った。
ママの友達には小人さんがいたって。遊んでいた時、怪我をしたママを助けてくれて、そこから仲良くなったって。
小人さんは普通の人間よりも何倍も生きる。だから小人さんはいつもひとり。
私と同じ
白雪姫「もし、いるのなら……どうか…
私を助けて……」
私もひとりだから
ーーー
少年「どうしようどうしよう!!」
昨日、鏡が写した女の子を忘れることができず、城を抜けたあと馬車に乗り、隣町に行く…はずだった。
少年の目の前は暗く深い森。
辺りを見回すも家らしい家が一つもなかった。
少年「適当に歩いたらこんな所についちゃった……家に帰れないよ…。
でも、家に帰れた所で縁談……」
どちらにせよ後戻りができない状況なのは確かだった。
少年はべそをかきながら森の中へと歩み始める。
少年「熊さんじゃなくてウサギさんがでてにたらいいのにな…
熊出没注意!!じゃなくてウサギさん注意!!
……それ注意する必要ない…か。」
自分でも何を言ってるかわからないがとりあえず恐怖を取り除くため独り言を続ける少年だった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。