白雪姫「困った」
少年「んべべあばばばばばわののょァァァァァァ!!!!」
白雪姫「ごめん、
うるさい」
少年「うるさいじゃないですよ!!狼の群れ!!は、初めて見て……ひぃっ」
白雪姫「私もだよそんなの」
少年「ええ!?なのになんでそんな冷静!?」
冷静……。
白雪姫「さっきまで焦ってたよ」
少年「今の方がやばいんですが!?
狼が!すぐそこに!!ほらぁ!」
群れの1匹がのそのそとふたりの前に現れた。
少年の震えが携帯のバイブ音のように酷くなっていく。
白雪姫「ねえ少年…
私が引きつけるから、そのうちに逃げてくんないかな」
少年「……は!?」
白雪姫「じゃっ、そういうことだから」
そう言って走り出した白雪姫。その表情は恐怖にまみれた顔でも、焦った顔でもない
この時初めて見たーーー
笑った白雪姫の笑顔
少年「待っ………!!?」
少年が手を伸ばそうとしたその時、銃声が聞こえた。
驚いた狼は尻尾を巻いて逃げ出した。
??「はっはー!恐れおののいたか狼よ!!」
少年「ふえっ…」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!