第10話

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2018/06/09 07:13
この頃二宮さんは新しくドラマの仕事が入り、元々忙しい二宮さんが更に忙しくなった。




何日も家を開けるのは当たり前。






居候させてもらっている上に忙しいから、家事や勉強はもちろん、最近はバイトも始めた。





お金が貯まったら、もちろんここを出ていく気。




忙しいのに迷惑なんてかけたくないから。






だから、もう少しだけ、迷惑かけさせてください。
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二宮和也
お前さあ、帰り遅い。
午後9時。バイトから帰宅すると顔を歪ませた二宮さんが出迎えてくれた。

どうやら今日は珍しく撮影が早く終わったようだ。
二宮和也
とりあえず、早く靴脱いで。話はそれから。
と言い、冷蔵庫にストックさせる予定のレジ袋を強引に奪い、リビングに消えてしまった。
二宮和也
で?なんで帰り遅いの?どう考えても変でしょ。
貴方
…高校生だって、たまには遊びますよ。
二宮和也
お金も無いのにどうやって?
そうだ。私は普通の高校生じゃないから、高校生らしい言い訳なんて通じるわけ無いんだ。




そんな事を考え、新たな言い訳を考えていると、二宮さんが近付いてくる。
二宮和也
…本当に心配した。
…え?
二宮さんが人を心配するイメージなんて無かったから、その言葉を聞いた瞬間驚いたけど、

嬉しさの方が勝ってしまうんだ。
二宮和也
家事も任せて、俺の仕事のせいでお礼の1つも出来てなかったから、出ていったのかと思った
二宮和也
帰ってこない間、お前のことめちゃくちゃ考えてたんだよ。
なんて言われるから、初めての感情に戸惑ってしまう。




そんな私に構わず、二宮さんは私を見詰め、優しく頭に触れた。
貴方
…バイト……。
二宮和也
え?
貴方
バイト、してて。
最初の頃は6時とかで上がってたけど、最近二宮さんが忙しくなってからは、バレないだろうって思って時間を延ばしたんです。だから……。
二宮和也
バイトで貯めたお金で1人で暮らそうなんて思ってないよね?

俺言ったじゃん。助けたいって。
二宮和也
未だに理由言ってくれないし。…俺ってそんなに頼りない?
二宮さんの為に始めたバイトなのに。


こんなにも追い詰めてしまった。
二宮和也
ごめん。重いよね、
私に背を向けた二宮さんに向かって、
貴方
二宮さん…違うの。
喉が苦しいけど、頑張って声を絞り出したら、二宮さんがこっちを向いてくれた。















私は、心のどこかで「もう人と関わりたくない」って思ってた。


バイトを始めたのも、二宮さんに迷惑を掛けたくないから、なんて綺麗な理由じゃなくて、

「二宮さんと関わりたくないから」だったのかもしれない。




でも、今そんな感情は綺麗さっぱり無くなったような気がするんだ。





この人に頼りたい。 そう思えたんだ。

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