湯船に浸かった直後、二宮さんが来て着替えを置きに来てくれた。
元々、生きようと思って家出をした訳ではないから、貴重品以外は全てあの家に置いてきてしまったのだ。
更衣室から出ようとした二宮さんにダメ元で聞いてみた。
一瞬の間があったのは、女性ものの下着を触るのが恥ずかしいからかな?
それとも、見るのも恥ずかしいとか?
二宮さんだって、アイドルである前に1人の男性なんだから、そういうこともあるのかも。
アイドルって意外と人間らしい なんて、何日かぶりにくだらない事を考えていた。
そのやり取りから数分後、少しのぼせてしまったので浴室から出て着替えた。
やっぱ二宮さんも、大人らしい綺麗な女の人が好きなんだろうなって考えてしまう。
なんで下着を見ただけなのに二宮さんの事を考えてしまうのか。
恋を経験した事がない私には、これが初恋の始まりだなんて知る由もない。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。