二宮side
一瞬、空耳でも聞こえたかと思った。
でも、その声は彼女の声に違いなかった。
「冗談言ってないで早く寝なさい。」
そう告げようと開きかけたドアを一旦閉じ、振り返ると
彼女は悲しい表情をし、ずっと俺を見ていた。
俺はびっくりした。
添い寝して欲しいなんて言うような子にはあまりにも見えなかったんだ。
彼女はどのくらい人に甘えてこれなかったのだろう。
そう思うと、彼女は今まで本当に頑張ってきたんだなと思った。
俺は先に布団に入った。
そうすると、彼女は慌てたような、嬉しそうな顔をして俺の隣に来た。
彼女は、また嬉しそうに距離を縮める。
不覚にも、可愛いと思ってしまったのは
俺と読者様だけの秘密ね?笑
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。