小さい時は手を繋いだけど、その時期だけだったからやっぱり恥ずかしい!それに告白された後なんて・・・もっと恥ずかしい!!
出来るだけさり気なく手を引こうとしても、バレているのか、更に強く握られてしまった。くそっ!
苦い声をもらすと、繋がれたてが自由になった。
ぼそっと呟くと、「暁の家でもよってく」と言って、私を置いていった。
部屋に高い声が響いた。
俺は今、暁のアパートにいる。
こいつは昔から、怒らせると面倒くさい。
終わったな、俺の青春。さらば、俺の初恋よ。
部屋の床に寝転がり、天井を見つめた。
今家に帰ってもあなたには、たぶん迷惑がかかる。親には電話すればいい。明日も休日だ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。