櫻井『おーい 起きろ』
今は古典
私にとっては絶好のお昼寝Timeなのに
翔くんが起こしてくる
帰ってきたら帰ってきたで連絡ひとつくらい
家にでも寄越せばいいのにしないし
ちゃっかり凄いかっこよくなって王子様みたいだし
何だかんだあの日の事許してないしで
絶対起きてやんないからね!
櫻井『おーい なぁ』
あなた「ん〜…」
暫くこんなやり取りを続けていると
櫻井『先生こいつ具合悪そうなんで
保健室連れて行っていいですか?』
先生の了解を得ると翔くんは私の肩を抱いて
教室を抜け出した
着いたのは科学実験室
実験台の下に二人でぎゅうぎゅうになって隠れる
ここはそうそう使わないから誰も来ない
こんなんされて気まずくならない訳がない
重苦しい雰囲気が立ち込める
櫻井『あなた…ごめんね?』
あなた「何が?」
櫻井『さよならも何も言わずに引っ越したこと』
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。