目を開けると
「どもっす、先輩」
彼はサッカー部1年の
梶木大和(かじきやまと)
一個下なのに私によくちょっかいを出してくる。
私は起き上がる
「1年なのに、こんなところで
何してんのよ?」
「サボってるんです
授業受けなくてもテストで点取れるんで。」
「素直になに言ってるの(笑)
余裕なのね〜」
「で、先輩は?
サボりっすか?」
「ん〜。まぁ、そんな感じ?」
「そうっすか」
「ほら、サボってないで、授業戻りなさいよ」
濡れてる姿はあまり見られたくないし、
追求されても困る。
「先輩こそ。」
「いいの〜私のことは!」
すると大和くんがいきなり
「なにがあったんすか?」
と顔を近づけてきた。
「いや、別に〜」
「だって、こんなに濡れてる…」
「気にしないで」
「気にします。先輩のことは」
そんなこと言われたって…
「先輩が話してくれるまでここから
動きませんから」
「和磨には絶対言わないって
約束できる?」
「はい、部長には言いません」
サッカー部の部長は和磨である。
「あのね…」
林さんにされたことをすべて話した。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。