中学の卒業式の日。
わたしは生まれて初めての失恋を経験した。
中学3年間片思いし続けてきた男の子に。
タイミング悪すぎ笑
ちょうど彼が女の子に告白している現場に遭遇しちゃうとか…
ほんとは前から分かってた。彼には好きな女の子がいるってこと。その子と同じ学校に行きたいからだいっきらいな勉強も頑張ってること。
全部全部相談聞いてた。
でも、
優しい顔で相談聞きながら、裏ではずっと叶わなければいいのにって思ってた。ねぇ、分かってるの?結局その女の子は志望校変えたんだから高校別々になるんだよ?あなたのことなんてきっとすぐに忘れちゃうよ?
わたしはずっとあなただけ思ってるのに。
相談を聞いてる1番近くの女の子はあなたの願いを聞いてあげられるのに。
わたしはあなたと同じ学校なのに。
なんで気づいてくれないの。なんで。
わたしって悪い子だ。
だからきっとバチが当たったんだと思う。
見たくないのに一部始終全部見てしまった。
彼が勇気を出して女の子を呼んで、
女の子は不思議そうな顔して近づいて、
彼が照れた表情で想いを伝えて、、、
そして女の子も嬉しそうな顔して頷く。
ああ…聞きたくなかったな、見たくなかったな。
見た瞬間、これまで積み重ねてきた思い出とかほんのちょっと残っていた期待がガラガラと音を立てて崩れるのを感じた。
そしてそれと同時に胸にズキズキした痛みと涙が溢れてきた。
誰にもバレないようにこっそり学校のトイレで泣いた。
泣いても泣いてもおさまらなかった。
もういっそ、このまま壊れてしまえばいいのにって思ったんだ。
そうしてわたしのアオハルは終わった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。