第4話

転入生
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2017/10/05 12:02
ガラッとドアが開き先生が入って来た。

担任の吉田先生。

あだ名はヨッシー。

ヨッシーの話はいつも長いからなぁ。

だからいつもホームルームはつまらない。

次々とみんなが座り、本谷が来ているか、今更ながら気になり見てみた。

大丈夫だったみたい。

よかった。もしこれで来てなかったら私が悪いみたいだもんね。

ふと窓の外を見た。

この席になってから毎日、暇さえあれば空を見た。

空を見れば、あの人と心が繋がっているような気がしたから。



あ、飛行機雲。綺麗だなぁ。

などと見ているうちに転入生の事なんて頭から消えていた。

しばらくすると、

「じゃあ、そろそろ紹介すっか。もう机もあるしみんなも気づいているとは思うが転入生を紹介する。入って来ていいぞ。」

ガラッとドアが開いた。

私はドアが開くまで先生の話は聞いてなかった。

ドアが開く音に驚き、急いでドアの方を見た。

あれ、どこかでかで見たことあるような、ないような…。

小学校とかが一緒だったとか?

「では早速、自己紹介をしてもらうぞ。」

とヨッシーが言うと、少しめんどくさそうに

「はい」と返事をした。

そして黒板に名前を書く。

一ノ瀬 葵

え…

私が幼い頃、遊んでいた男の子の名前は「葵」

苗字は一ノ瀬ではなかったはず。

でも…お母さんの旧姓は…


一ノ瀬だ。

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