「え、今なんか…」
「なんでもねーよ。」
うふふふ、本当は聞こえてたもんね〜
「あなた、授業終わるまであとどんくらい?」
「んーと、11時55分に授業終わるよ?」
「んじゃ、それまでここでサボるか、」
サボるのか!と思ったけど、今までサボってたんだから
今更行くのもあれだよね、
2時間目は気を失って、2時間目の最後の方から、4時間目の途中まで寝てて…
結局、午前中は一時間目しか出ていない。
どんだけ寝てたんだよ。って感じだよね、、
しかも先生になんて言い訳しよう、、。
チャイムがなり、教室に戻る。
教室に入ったとたん、みんなが一斉にこちらを見て来た。
その中にいた美麗が飛んで来た。
「あなたー!!!!」
と抱きついてくる。
「うっ」
「心配したんだからね!?一ノ瀬くんが帰って来た時、みさとは?って言うから、
まだ来てないよ?って言ったの。そしたら、ふーん。とか言ってたんだけど、
3時間目も来ないから…」
と言い終わったあと、私の耳に口を近づけ、
「一ノ瀬くん、3時間目終わった後、すぐにどっかいったからあなたを探しに行くのかな〜
なんて思ってニヤニヤしてたよ笑」
「で、一ノ瀬くんとなんかあった?」
とニヤニヤしてきた。
「いや、その…」
「まぁまぁ!今からお昼休みだし、聞き出しますからぁ〜。うふふ」
楽しみだなぁーなんてウキウキしている美麗を横目に、
私は、どうしよう!なんて言えばいいの!?と頭をフル回転させた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!