「…え?」
事故にあっ…た…?
「どう言う事ですか?」
と聞くとおばさんは頷いて、話し始めた。
「あの日もいつもと同じように、葵とあなたちゃんは一緒に遊ぶだろうと思って、
早めに買い物に行くことにしたの…」
ーあの日(おばさん目線)ー
「葵ー?お買い物行くよー。」
「えぇー。僕、あなたちゃんと遊びたいよぉ。」
「今から行って、帰ってくればいつもの時間に間に合うでしょ?」
葵は少し悩んだようだったが直ぐに「うん!」と言い、一緒に行くことになった。
スーパーに入り、野菜を見ていると、葵が居なくなっていることに気づいた。
こう言う時は、お菓子コーナーに行っているに違いないと思い、確認しに行った。
「葵ー?」
「はぁい?」
「もぅ、勝手に居なくならないでよー。ママ心配するでしょ?」
「はぁーい」
と言い、私は隣の乾物コーナーを見て回った。
だが、葵のところに戻ってみると、もうそこに、葵は居なかった。
「葵ー?」
とその辺りを探しても居ない。
「どこ行っちゃったのかしら、」
すると、外で誰かが騒いでいる。
何か嫌な予感がした。
急いで外に出てみると、
葵が…
車にはねられ、
…倒れていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!