「葵ー!?はやくー!遅刻するよ!?」
「分かってるって!あと1分!」
「えぇー!そんなに!?」
「大丈夫だよ!自転車の後ろ乗せてやっから!」
「もー、しょうがないなぁー。」
実は、葵の家は私の家から1,2分程で着く。
だから基本的に毎日一緒に登下校している。
うふふ、幸せ。
「よし!行くぞ!」
「うん!」
「うぉー!速っ!」
「しっかりつかまっとけよー」
「はぁーい!」
ぎゅうっと後ろから葵を抱きしめた。
あぁ、また幸せっ!!!
あれから、おばさんとも色々話したし、葵ともたくさん話した。
それで、それでね、うふふ、付き合うことになったんだ!
「ギリセーフッ!」
「良かったねぇ」
「ってか、葵が準備するのが遅すぎなんだよ!」
クラスに着いてからそんな話をしていると、美麗がやってきた。
「あらまー、仲良しですねぇ?」
「あはは、でしょ?」
と葵が言う。
「ですね」
と笑い合う。
授業中でも、話しながら授業を受けるため、たまに先生から注意を受ける。
それでもやめられないんだなぁ。
あっという間にお昼休みになった。
「あなたごめん、今日、放送当番だからお昼は一ノ瀬くんと食べてね!」
「あ、今日だっけ?」
「そーなの」
じゃ、一ノ瀬くん、あなたをよろしくね!」
「おう!」
登下校は葵としているため、お昼はいつもは美麗と二人で食べている。
「どこでたべる??」
「んー、やっぱ屋上?」
「だよね!」
意外に屋上には人がいない。
「あ、まって、俺購買行ってくるから先行ってて。」
「まって葵!なんと、なんと!昨日寝るの遅かったし、
多分またおばさんも今、忙しいだろうなぁ。と思い…ジャン!」
「おお!」
「カレカノっぽく作ってみました!」
とお弁当を渡す。
実は今日、朝5時起き…
「うぉー!!うまそう!」
「いや、美味そう!じゃなくて、美味いから」
「いや、まだ食べてないし、」
「だから早く食べてよぉ〜!」
「はいはい、じゃ、いっただっきまーす!」
「うん!美味い!!」
と口の中にいっぱい入れてモグモグしている。
「リスみたい」
うふふ。可愛い!
「なんだよー!」
と笑い合う。
「ねぇ葵!幸せってなんだろうね。」
「なぁ、あなた。俺今、ちょー幸せ。」
「本当?うふふ、私もちょー幸せ。」
とおでことおでこをコツンとぶつける。
「葵。戻ってきてくれてありがとう。」
「あなた。生まれてきてくれてありがとう。」
「うわ!なにそれ!そっちの方が感動するじゃん!」
「私もそっちの方にする!」
「なんだそれ!」
あはは!
とまた笑い合う。
笑っていられることも幸せ。
葵。生まれてきてくれてありがとう。
[お知らせ]
新連載始めました!
「「好き」って言ったらどうなりますか?」です!
主人公と叔父さんとの恋を描いています!
叔父さんと言ったらちょっと…。と思うかもしれませんが、
16歳の主人公と26歳の叔父さんの10歳差の恋物語です!
もしよろしければ読んでみてください!
よろしくお願いします!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。