「うぅ…」
ゆっくりと目を開けると…。
私の頭を撫でている葵がいた。
「ん…葵?」
「あ、ごめん。起こした。」
葵は撫でてる手を引っ込めた。
一瞬夢かと思った。
ずっと葵の夢を見ていたから。
「ううん、大丈夫。」
「会いたかったから…。」
「俺も。」
うふふ、嬉しいなぁ。
「あれ?そう言えば学校は?」
「もう終わったよ。」
「えぇ!?今何時?」
「4時前。」
「え、私そんなに寝てたの?」
「あれから一回も起きなかったのか?あ、熱は?」
「測ってない。」
「ほい。」
と体温計を差し出してくれた。
「ありがと。」
さっきより楽になっているから下がってるだろう。
ピピピッピピピッ
「お、37,6℃だ。」
「下がったな。」
「うん、いっぱい寝たからかな。」
「そうかもな。」
ふっと笑った。
「ねぇ、葵。ぎゅーして。」
私は手を広げて言う。
「はい、ぎゅー。」
葵は私を抱きしめてくれた。
幸せだぁ。
「風邪うつったらごめんね。」
「大丈夫。そしたらあなたに看病してもらうから。」
「うん、風邪引いたらしてあげる。」
ぐぅ〜
私のお腹が鳴った。
うふふ、と笑い合う。
「お腹すいたぁ〜。」
「そう言うかと思って色々買ってきたよ。」
と、コンビニのビニール袋を差し出す。
「本当!?やったぁ!たべよ、たべよー」
葵が買ってきてくれたパンやおにぎりを食べ、少し話をしてから、葵は帰っていった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。