前の話
一覧へ
次の話

第1話

プロローグ
37
2017/10/02 12:11
ねぇ、結
あなた

……何、悠くん

今まで黙っててごめん、転校すること
あなた

恨むよ

いいよ、それでも
あなた

何それ、どういうことなの?……からかってるの?

違うよ、そういう意味じゃない
……あなたが俺のこと忘れないでくれるなら、恨まれてたっていい
あなた

馬鹿だな、ほんとに馬鹿だよ……悠くんは

はは、そうかもね
あなた……月が綺麗だね
あなた

最後がそれ?ほんと……意味分かんないよ、悠くんは……勝手に遠くに行っちゃうし……忘れないでとか、勝手なことばっか。ずるいよ

ごめんな、あなた。……元気で
 これが私と悠くんと交わした最後の会話だった。
 私が高校に入学して一年が経ち、高校2年生になったあの日までの。

プリ小説オーディオドラマ