興奮した様子の親友・あかりに私は思わず苦笑をもらす。
てへっ、と可愛らしく舌を出して笑ったあかりに私はため息をつく。実際、ポニーテールを快活に揺らすこの友人はかなり可愛い方で、隠れて思っている人が何人かいる……らしい。
そして、加賀先輩というのは私の先輩で……高校1年生の12月から付き合い始めた、恋人、でもある。
癖っ毛ぎみの髪に長い手足を持ち、さらには勉強もできるという私にはもったいないくらいの恋人だ。
その事実に少し興味をかきたてられた私はあかりに聞く。
大袈裟に嘆くあかりを適当にあしらい、私は新しい教室に足を向けた。