第157話

番外編〜ばぶばぶ長兄❷〜👶🏻🍼
787
2020/10/05 09:00
あなた
ただいま〜
長兄の帰宅から約30分後。
帰宅してきたのはこの家の双子。
ゆう
ゆう
あっつ…しぬ……
あなた
アイス食べよアイス
と、玄関で靴を脱いでいたその時だった。
???
びええええええええええ!!!
あなた
!?
ゆう
ゆう
ちょ、何!?
突如、居間の方から耳をつんざくような泣き声がした。
あなた
あ、赤ちゃんなんてうちの家にいた!?
ゆう
ゆう
精神年齢は赤ちゃんでも、泣き声まで赤ちゃんなやつはいないよ…!
あなたは靴を脱ぎ捨て、襖を開け放った。
───────スパァンッ!!!
ちびおそ
ちびおそ
あぅ…?
あなた
ほ、ほんとに赤ちゃん…!?
いつも8人で囲む小さな円卓の横に、目に涙を浮かべる赤ん坊がちょこんと座っていた。
ゆう
ゆう
だ、誰の子!、?
ちびおそ
ちびおそ
あうぅぅ…
あなた
あぁっ!泣かないで泣かないで…!
2人の大声にまたもや泣き出しそうになる赤ん坊を、抱き抱えてあやす。
あなた
よーしよしよし…
ちびおそ
ちびおそ
あうぅ…



───────ガッシャーーンッ!!!
ゆう
ゆう
今度は何!?
ちびおそ
ちびおそ
うっ、うっ…びええええええええええ!!!
あなた
また泣いちゃったよ!!
突然の大きな音に、赤ん坊はまたそれに負けないくらいの声量で泣き声をあげる。
ゆう
ゆう
みっ、見てくる!
音はキッチンの方からした。
ゆうは慌てて居間とキッチンを隔てる扉を開け放つ。
ちびカラ
ちびカラ
キャッキャッ!
ゆう
ゆう
ま、また赤ちゃん…!?
もう1人の赤ん坊は、シンクの上につかまり立ちをしながら、積み上げられた茶碗や皿を床へ落として遊んでいるようだった。
ゆう
ゆう
やっ、やめなさーい!!
ちびカラ
ちびカラ
あうぅ?
ゆう
ゆう
あうぅ?じゃないの!危ないでしょ!!
ちびカラ
ちびカラ
ぶぅ…
思わず出てきた怒りに泣かせてしまうかと思いきや、不貞腐れた顔をしてふいとそっぽを向いた。
ゆう
ゆう
こ い つ … 💢





┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈







チョロ松
チョロ松
…うん、これはうちの愚兄共だね
あなた
ですよね〜…
その更に30分後。
帰宅してきたのは、この家の三男と末弟だった。
トド松
トド松
明らかに、ほら!小さい頃の兄さん達と似てるし、2人ともだぼだぼの赤いパーカーと青いパーカー着てたんでしょ?
ゆう
ゆう
うん…
チョロ松
チョロ松
ったく…なんでこんなことになったかなぁ〜あ!?
ちびカラ
ちびカラ
……
ちびおそ
ちびおそ
あぅ?
やり場の無い怒りを放つチョロ松に、2人は小さい首を傾げるばかり。
あなた
あぁっ!!!
トド松
トド松
どしたの!?なんか分かった!?
あなた
……うちだ
ゆう
ゆう
…は?
あなた
この瓶!!2人はこれを飲んだんだ!
机の上にあった空の瓶を手に取るあなた。
チョロ松
チョロ松
ちょ、ちょっと待って!?なんでその瓶が2人がこんなんなった原因なわけ!?
あなた
ふっふっふっ…この瓶はなんと、デカパン印!!
トド松
トド松
…嘘でしょ?
あなた
ついこの間デカパンから貰った、名付けて!
あなた
ばぶばぶ薬!!!
チョロ松
チョロ松
…………
ゆう
ゆう
…………
トド松
トド松
…………
3人
はああああああああああ!!?





┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈







一松
一松
…で、あなたの貰ってきたデカパンの薬を飲んだこの糞長兄は赤ちゃんになったと………
十四松
十四松
あはあ!馬鹿だね!!
現在午後17時。
最後に帰宅してきたのは、この家の四男と五男。
ちびカラ
ちびカラ
あぅ!
ちびおそ
ちびおそ
あうぅ!!
部屋の奥で、十四松の野球ボールで遊ぶ2人。
チョロ松
チョロ松
まず、なんでこんなもの貰ってきたのか説明してくれるかなぁ!?
あなた
ぅ…だって、この前デカパンラボに遊びに行ったら────────




あなた
「ねぇデカパン博士〜、なんか面白い発明品ないの〜?」
デカパン博士
「ホエホエ〜、面白い発明品と言われてもダスなぁ〜…」
デカパン博士
「そうダス!そこの棚に置いてあるものなら勝手に見ていいダスよ!面白いかはさておき、ワスのこれまでの発明品があるダス!」
あなた
「まじ!?え〜と、じゃあ…これは!?何!?」
デカパン博士
「ホエホエ〜、それは気持ち薬だす!」
あなた
「気持ちイイ薬?」
デカパン博士
「そんな危ない名前じゃないダス!!気持ち薬ダス!!」
あなた
「ふーん…?面白くなさそ」
あなた
「ん〜…じゃあこれは!?」
デカパン博士
「それはばぶばぶ薬!飲んだ途端、1歳くらいの赤ん坊になってしまうダス」
あなた
「へぇ…赤ちゃんか……、決めた!これ貰うね!!」
デカパン博士
「ホエ〜、いいダスがくれぐれも!悪用はしちゃダメダ────────」
あなた
「ばいばーい!」
デカパン博士
「ホエホエ!話は最後まで聞くもんダス〜!!」




あなた
と、言うわけでして……
ゆう
ゆう
いや、気持ち薬の方が面白そうだろ!!
チョロ松
チョロ松
そっちじゃねぇよコルァ!!!
今日も松野家に、チョロ松の激しいツッコミが響き渡る。
あなた
おそ松とかに飲ませたら少しは可愛く見えるかなって、、
トド松
トド松
うん、気持ちは分かる。大いに分かる。
十四松
十四松
例えおそ松兄さんでも可愛い時はあるからね!
あなたの切なそうな訴えに、2人は頷き同意の意を示した。
一松
一松
でもさすがにずっとこのままだと学校とかどうすんの?赤ちゃんになったので行けませんって説明すんの…?
あなた
うーん確かに…どうしよう?
ゆう
ゆう
ひとまずどれくらいで元に戻るのかデカパンに聞いてみよ?あと、2人の服とか赤ちゃん用品用意しないと…
トド松
トド松
じゃあ僕が買ってくるよ!僕が兄さん達にかわいい服選んであげるからね♡
ゆうの提案に喜んで手を挙げるトド松。
十四松
十四松
はいはーい!俺も行きマッスル!!
ゆう
ゆう
じゃあうちも行くー!
そう言い、3人は買い出しに出かけた。
チョロ松
チョロ松
じゃあ僕はデカパンに電話してみるよ
あなた
うん、お願いしまーす
チョロ松は固定電話のある玄関の方へ歩いて行った。
あなた
じゃあうちはご飯でも作ろっかな!一松は2人の子守りお願いね
一松
一松
はぁっ!?なんで俺…
あなた
だって、今日のご飯担当うちだし、みんな他にやることあるみたいだし…お願いねっ!
一松
一松
えぇ…マジかよ……

プリ小説オーディオドラマ