第2話

【新八】真夜中の親子
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2017/10/02 23:51
梅雨時のある日の夜中の話です。
僕は窓側に寝ていて、外は雨が降りしきっていました。

なかなか眠れなかったからボーっとしていると、遠くからヒールをかたかたと鳴らしながらベビーカーを押している音が聞こえました。
赤ん坊は大きな声で泣き叫んでいます。
「こんな真夜中なのにどうしたんだろう」程度に考えていました。

次の日も眠れずにいると、その親子は同じ時間に歩いているようでした。
昨日よりも赤ん坊の泣き声は大きかった。同じく雨も強い。
遠くで聞こえていたヒールの音は徐々に近づき、窓の近くで止まった。
窓の外には小さい庭がある。柵があるんですが、窓をノックする音が聞こえました。

「そんなバカな!」
と恐怖で頭がパニックになります。
窓をたたきながら優しくこういうのだ

「開けて、開けて」

しかしそんなことを言われても、開けてあげようとは思わない。
その親子からは、人間ではない雰囲気を感じていました。

しかしそんな僕にはお構いなく、たたく音が強まっていきます

「ドンドンドンッ!!」

しばらく続いていましたが、やがてその音が聞こえなくなりました。
いなくなった?とホッとした矢先、女性とは思えないほど低く、心臓がえぐられるかと思うほどの威圧感で一言
「開けろ」

僕は開けることなくじっとしていると、またヒールの音をかたかたと鳴らしながら歩いていきました。

次の日、今までの時間を過ぎてもヒールの音もベビーカーの音も聞こえなかったので安心していました。あれは一体何だったのか…。

そしていつもの時間から30分後ほど経ってからでしょうか。救急車のサイレンが鳴り響いた。
通るはずのない道を通って僕の家に近づいてくるのが分かりました。
そして前を通り過ぎるときに確かに聞こえました。あの威圧感を持った声で。

「お前のせいで、死んだから」

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