エレベーターのドアが開き、私は急いで降りようとした。
その時
腕を掴まれ、びっくりしていると...
彼が少し下を向き、腕を掴んだまま頬を赤く染めていた。
私は彼の名前を聞いてなかったし、もっといろんな事を話したいなと思って
そう答えたら
彼は照れながら笑った。
そう言って私は部屋の鍵を渡した。
彼と部屋の前に着いた。
私は鍵を渡され、自分で開けた。
ドアを開け中に入ると...
急に彼が叫ぶからびっくりして私も叫んでしまった。
私はくもを掴んで外に逃がしてあげた。
目をキラキラして褒めてくれたから少し嬉しくてにこにこしていると、後ろから聞いたことのある声が聞こえてきた。
私が振り向くと...
私が目を見開くと彼も目を見開いた。
一生聞きたくなかった声。
一生会いたくなかった人。
私は恐怖に怯え、その場からとにかく遠くへと遠くへと走っていった。
私が彼の声が聞こえて振りかえるとこの世で1番嫌いな顔で
そう小声で言ってにやっと笑った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。