第11話

10.小さい頃
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2017/10/06 07:47
俺には、あなたと言う幼馴染がいる。
家も割と近所な彼女は人見知りで、
小さい頃は俺が話しかけても逃げて行ってしまって、
仲良くなりたかった俺は悲しかった。

4歳頃だっただろうか。あなたとちゃんと話せたのは。

運動会の演技で二人組みを作り踊る部分があった。
たまたま俺はあなたと組になった。
あなたは踊るのが苦手でよく間違えた。
あなた

(幼)……ごめんなさい。

         ※(幼)は幼少期の事です。

小さな声と、泣きそうな顔でそう言われ、
慌てて俺は明るく、
西原翔輔
(幼)そんなの気にしてないよ!
と言う。
あなた

(幼)……。

西原翔輔
(幼)大丈夫だよ!俺が教えてやるから。
そう言うとあなたはふわりと笑顔に変わった。
笑った顔を見るのは初めてだった。
小さいながらにとても可愛いと思ったのを覚えている。
























もう、すっかり暗くなった空を駅のホームから
ぼんやり見ながら考えるあなたの事を考える。
けれど、別の事を考えても、すぐに頭の中に出てくる
親に勝手に決められた許嫁の事と親の都合での引っ越し。
西原翔輔
(俺は一体どうすれば……。)

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