やはり、無名という顔も性格も…おそらく面識もない誰かを頼るより、自分でなんとかする必要があると凛々は思った。
凛々は、これまで生きてきた人生の中で、友達や幼なじみから貰った物を片っ端から探した。
幼稚園の頃、貰ったオシロイバナの種、小学生の頃、当時好きだったキャラクターの絵、中学生の頃、貰った沢山の文房具。
高校生の頃…
高校生の頃…?
なぜか高校生の頃に貰った物だけが見つからない…
「小・中学生の頃貰った物はしっかりあるのに、なんで高校生の時は無いの…?」
部屋中を探し直したが、それでも高校生の頃に貰った物は出てこなかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!