第8話

形じゃない何か。
43
2017/10/04 11:12
ピロリン♪

おそらく無名からだろう、私はスマートフォンを見た。
無名
そこまで来たなら、思い出せる。
突然の無名からのメッセージに私は涙を流した。

(そこまで来た…?私なんかで思い出せるわけが無い…!)

泣きながらスマートフォンを操作した。
凛々
私は、あなたのことを思い出せない…。思い出そうとしても思い出せないの…。
凛々
幼稚園、小学生、中学生の思い出は形としてしっかり残っているのに、高校生の時の思い出は何も残ってないの…!
凛々
私の楽しかった子供時代の思い出は全て鮮明に残っているわけじゃないから、私なんかじゃ思い出せないの!
凛々は無名に精一杯の思いを伝えた。
それでも無名は普段と変わらず、冷静だった。
無名
高校生の思い出が、形として残っていないなら…じゃあどんな風に残っている?形ではない何かで残っているはずだよ。
凛々
そんなこと言われたって無理だよ!!
凛々と無名とのLINEはここで切れた。

プリ小説オーディオドラマ