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第1話

聞きたくなかったこと
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2017/10/02 14:58
密かに想いを寄せている彼・・・沖田総悟に、

私は想いを伝えようと思う。

なんて、心では思っていてもなかなか実行できないまま

一ヶ月たった。

神楽ちゃんとお妙ちゃんには、この意気地無し!と

怒られる始末である。

仕方がないじゃない、

今まで告白なんてした事がないのに・・・。

あーあ、素直に言えたらどんなに嬉しいか。

でも、振られたら・・・なんて思うと

怖くて怖くて言えない。

相手に好きな人なんかいたらもってのほかだ。

好きな人が私だったら!なんて何百回も思ったこと

はあるが、そんな事あるはずも無い。

そんな事を考えながら、休憩しようと

行き付けのカフェにはいった。
すると、聞き慣れた声が聞こえた。
「おい総一郎君」

「旦那、総悟でさァ」
沖田さん!? 

何でここに・・・?

まぁ、カフェぐらい入るか。

でも何で銀さんと一緒にいるんだろう・・・
「恋愛相談なんぞニコチン野郎にききゃあいいじゃねぇか」

「誰があんなマヨネーズ野郎なんかに。」

「で、告白すんの?」

「そりゃあしたいんですけどねぃ・・・。」

「へぇー、そんだけ惚れてんだ。」

「初めてなんでさぁ、告白なんてもんは」

「へぇー」

「旦那・・・面白がってます?」
これ以上、聞けなかった。

こみあがってくる涙を堪えながら急いで店から出た。

やっぱり・・・いるよね。好きな人くらい。

沖田さんに告白されたら、どんな女の子だって

OKしちゃうよ・・・。

私は、声を押し殺すように泣きながら屯所へと帰った。

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