はああ…やっと終わった…
私は、ふぅ…とため息をついて机に突っ伏した。
あの先生嫌いだわ…
とぶつぶつ思いながらみんなの声を聞いている。
「やば!今日発売だって!」
「まじか!帰り一緒に買いに行こ!」
みんなのざわざわした声が聞こえる。
結構こういうのもいいものだ。
するといきなり、
「あなた!雄平君!」
と、クラスメイトの声がした。
なに?!雄平だと?!
私は、その人の名前を聞いた瞬間ガバッ!!と体を起こした。
するとそこには、私の大好きな彼氏、雄平がいた。
「ゆうへーい!!!」
「あぁ、あなた…って!!おい!!」
私は、勢いのあまり雄平に走っていき突進して抱きついてしまった。
「った…おい!あなた!」
「会いたかったよおお」
「暑いわ離れろ!」
ぐいっと無理やり引き剥がされてしまった。そのせいで、次の授業が始まるまで雄平に説教をされてしまった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!