「…なぁ。あなたって前世とか気にならないか?」
「え?」
いきなり雄平に訳の分からない話をされてとてもまぬけな声が出てしまった。
前世…?
学校が終わってみんなザワザワしている中、2人はシーンと黙っていた。
帰り道だったのでいろんな声が聞こえてくる。
「んー、あまり気にならないかな。」
考えた結果それを伝えると雄平は、
「ふーん、やっぱそうだよな。」
と、あっけなく言われてしまった。そしてすぐに話題を切り替えてしまった。
な、なんだったんだ。今のは。
もやもやのまま、雄平のいろんな話を聞いて相づちを打つ。
ほんっと気になりすぎて夢に出てくるわ。
結局ズルズル引きずったまま、雄平とバイバイをしてしまった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!