第52話

隠し事4
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2018/07/11 13:35
え?どーいうこと?

「どーいうこと??」
『俺も受けててん。暴力。』
「そーだったの!?あ、そーいえばなんでか暴力されると思ったらされなかった時あったけど、智にぃがかばってくれてたの??」
『そーやねん。でももう受け入れれんくなって逃げたんや。俺。』
「違う。智にぃは悪くないの。智にぃが出て言ってしまう前に私が両親に言ったの。〝智にぃをこの家から出ていかせてあげて〟って。〝智にぃの代わりに私を殴ってもいいから〟って。」
望[なんであなたがお兄をかばうん?]
流[そーやで?なんで守ったん?]
「私を守ってくれたから。だから、今度は私が守る番だって思ったから。」
崇[ええ妹持ったな。神ちゃんは。]
「そんなことないよ。ずっと守ってくれてたんだもん。」
『なんで?なんで俺を守るん?最低なお兄ちゃんやのに。』
「だから、今言ったでしょ?智にぃが守ってくれてたからって。」
『お兄ちゃんとして当然のことしただけやから。』

私は、ずっと思ってたことを言おうと決めた。

「私ね、智にぃが出て言った後、少しは〝なんであんなこと言ってしまったんだろう〟って。〝なんで智にぃはいてくれなかったんだろう。素直に出て言っちゃうんだろう。〟って。挙句の果てに、〝智にぃなんか嫌い〟って。でもね?昔、私を守ってくれたから今は私が智にぃに恩返ししないとって思ったの。それからはもう智にぃのこと恨まないって決めて2年間耐えた。でも、その地獄は呆気なく終わった。」
『そーだよな。俺、お前を守ろうってオカンとオトンに〝でていけ〟って言われた時ホンマはあなたと逃げようって思ったんや。けど、両親に〝1人でいけ〟って。〝もう暴力はせんから〟って言われて。それを信じた俺が悪かったんや。』

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