第50話

隠し事2
1,207
2018/07/11 04:04
そう。
皆にも言えなかったという隠し事は

神ちゃんが実のお兄ちゃんだってこと。

「そーなの。だから、皆には内緒にしてたんだけど、私さ服選びの時から連絡しなかったでしょ?」
望[そーやな。]
「その時、私、神ちゃん家に泊まってたんだ。」
流[そーやったん!?]
「うん。言わなくてごめん。」
『ロールキャベツの作り方教えて欲しいって言われてな泊めたんよ。』
淳[そーやったんやな。]
照[やけど、なんで??]
「私にお兄ちゃんがいたのはなんとなく覚えてて。そんな記憶を辿ってたら、そーいえばロールキャベツ作るの得意だったなの思って。」
『それで言うたんか。』
「そーなの。作り方もお兄ちゃん独自の作り方だったから。そしたら、作り方が同じだったの。騙しててごめんね。神ちゃん。」
『いや、全然ええんやけど。』
「私、その時思い出したんだ。昔〝智にぃ!〟って呼んでたって。」
『あ、そーいえば呼ばれてた気がする。妹に。』
大「そーやったんやな。あとひとつは何?」
「実はあと1つはその両親に関することなんだけど。」
『オトンとオカンのこと?』
「うん。実はね、智にぃがいなくなって少しの間、両親に暴力をうけてて。」
『え、そーやったん!?嘘や…』
「ほんとなの。〝お前のせいでお兄ちゃんが行ってしまったんだぞ!〟って。〝お前が言う事聞かないからだ!〟って。」

私は、お兄ちゃんがいなくなった一番の理由。存在だとずっと両親に言われていた。
言葉の暴力。精神的な暴力。
ずっとそれの繰り返し。

照[そんな…自分の娘に押し付けるなんてなんて親やねん!許せん!]
「昔は、私が悪いんだって思って、智にぃが他の人の所に行ったのは、私が一番の原因・存在なんだって思ってた。」
『そんなことないで…?』
「だから、その頃は毎日降ってくる言葉の暴力や精神的な暴力を我慢して受けてた。」
望[そんな…]

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