第11話

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2017/10/06 10:12
屋上に行くと、2人は向かい合って立っていました。莉音は胸がチクリとしました。
「私と付き合ってください!」
「もちろん!」
「えっ待ってよ、龍太!」
莉音は目の前が真っ黒になりました。自分の気持ちも伝えたかったのに!
「あの時、死ななければ良かった...」

「...川さん!聞こえますか?百合川さん!」
莉音はぱっと目を覚ましました。あれは夢だったのです。莉音の周りには、たくさんの人がいました。
「命には別状はありませんが、骨折や打撲をしているので、安静にしてください。病室の外だけなら出てもいいですよ」
車いすに乗って病室を出ると、龍太や姫花、紗羅がいました。何故か櫻子もいました。
「大丈夫か?もう3日も意識がなかったんだぞ」
すると櫻子が
「意識不明で良かったのに...」
と呟いたのが聞こえました。
「龍太くん、莉音は意識が戻ったばかりで気分が良くなさそうだから、今日は帰りましょ。もう夜も遅いし。帰りに話もあるから」
「は、話って…?」

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