第7話

船路は不安定
88
2017/10/08 04:09
貞斗
貞斗
んァ?
ふと電話が鳴った。短い沈黙から即座に現世界へ引き戻された2人は電話を睨み付けた。
紅羽
紅羽
──はい、此方中央ヴィヴィ支部。───え?───分かりました。
貞斗
貞斗
何だァ?
紅羽
紅羽
どうやら貴方の大好きな調査の依頼の様です。
大好きな調査、とはぞっとしない言葉である。それを聞いた少年は即座立ち上がり、惰性の出た格好のブーツの紐を編みあげた。紐を穴に通す度に音が鳴る。それは自分達がこれから乗る船の行き先がどんなものか──
暗示するものとも知らずに。

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