第10話

舐め過ぎ危険
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2017/10/25 07:44
チンピラ1
オラ、舐めてんじゃねぇぞ!
紅羽
紅羽
靴底でも舐めたいんですか?申し訳御座いませんが、そんな体液を押し付けられると…
チンピラ1
ごちゃごちゃうっせェ餓鬼だな!
巫山戯るのもいい加減にしとけよ、この野郎!
チンピラはとうとう痺れを切らして掌を握り締める。目には血が走り、顔は真っ赤に沸騰した様に。
少女はやっと面倒臭そうに顔を上げる。ちらと少年の顔を見合わせ、直ぐに視線を戻した。少年は如何にも焦った風の顔をしている。
…因みに、少女の顔とチンピラの拳迄凡そ40cm。普通は避け難い距離であった。
しかし少女はそんなチンピラの拳構わずすっとしゃがんだ。
チンピラ1
オラ────んるぁ…?
貞斗
貞斗
喋んじゃねェ、不愉快だ。
そう、しゃがんで背中が平面になった少女の背中の上に少年の手が載り、その反動でチンピラの横っ面を脚で蹴り飛ばしたのだった。

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