第21話

刃物と過去と
25
2017/11/28 05:15
貞斗
貞斗
───吐け。今なら見逃してやッから。
ミルヴァ軍1
んぁ───なぁんて、言う訳ねェだろ!す
紅羽
紅羽
!?
ミルヴァ軍が隠し持っていたナイフは拘束具を破り、紅羽の喉元を掻き切ろうと迫る。
拓翔
拓翔
───済まない。同僚に傷を付けられるのは私の趣味では無いんだよ。
その時、彼等が口から吐血するのは同時だった。
紅羽は未だに目を見開いて硬直している。その様子に貞斗も唇を噛む。事情が事情なのだが。
拓翔は紅羽の肩を揺する。紅羽はその小さな肩を震わせて嗚咽を漏らしている。
貞斗
貞斗
───おィ、もう一つ。来い。幼馴染が傷付いてんのは虎馬なんだよ。
紅羽
紅羽
───ぅぁ──。
貞斗
貞斗
んァ?何て?!
紅羽の弱々しい声音と貞斗の覇気を含んだ怒声が飛び交う。
しかし傍ら、指名された───肩を外していた筈の二人目はゴキゴキと肩を鳴らす。貞斗も舐め刷りして姿勢を低くする。
貞斗は瞳に怒りと好奇心を込める。二人目…ミルヴァ軍はその口を左右に裂いている。

第3戦───開幕。
済みません…今回少ないですが…次話がめちゃ長い筈なので…^^;

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