ミルヴァ軍が隠し持っていたナイフは拘束具を破り、紅羽の喉元を掻き切ろうと迫る。
その時、彼等が口から吐血するのは同時だった。
紅羽は未だに目を見開いて硬直している。その様子に貞斗も唇を噛む。事情が事情なのだが。
拓翔は紅羽の肩を揺する。紅羽はその小さな肩を震わせて嗚咽を漏らしている。
紅羽の弱々しい声音と貞斗の覇気を含んだ怒声が飛び交う。
しかし傍ら、指名された───肩を外していた筈の二人目はゴキゴキと肩を鳴らす。貞斗も舐め刷りして姿勢を低くする。
貞斗は瞳に怒りと好奇心を込める。二人目…ミルヴァ軍はその口を左右に裂いている。
第3戦───開幕。
済みません…今回少ないですが…次話がめちゃ長い筈なので…^^;
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。