ダメだった。
私は、裏切られたんだ。
なんでもっと早く気づけなかったんだろう。
どうして?
信じてたのに……
信じていた人に裏切られるってこんなに辛いんだ。
そんなことを身をもって実感したのがその時だった。
私は好きだった。
すごく。
だけど、あいつにとっては私は遊び相手でしかなかった。
いや、それ以下だった。
何がいけなかったのかは、今でもわからない。
私は、今でも考える。
彼が自分のことが好きなんじゃないって分かっていたら、どんな道を選んでいたのだろうって。
もっと私が早く気がつけば、あなたを苦しめずにすんだのに。
そう何度も自分を責めた。
何故なら……
その彼はあなたの友達が本命だったから。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。