神山side
あなた君の母親に会って、正直腹が立った
勉強出来なくたって、頭悪くたって人間として見れへんのって
そして、息の根が止まったかの様にあなた君は、倒れた
とっさに抱きかかえたが、俺はどうしてかあなた君の母親にこんな事を言ってしまった
神山「なんでそんな事言うねん!!あなた君やって頑張ってんねん…!バイトやって、
学校やって、生活やって、勉強やって頑張ってんねん!!そんな事も知らんで
何が勉強出来ひんねん?知らんくせにそんな事言うなや!!!」
母「うるさいわね…何を言っても私の勝手でしょ!!」
神山「貴方は限度ってものを知らないんですか?貴方がやっているのはただの暴力ですよ!!
肉体、精神がボロボロになってこっちの学校へ来たんです!!お願いです…あなた君を
もう傷付けないで下さい……お願いします……」
母「もういいわ。貴方ももう私のことは探らないで頂戴…行きましょう…」
母親は隣の男と一緒に歩いて行った
俺はあなた君を抱え、すぐさま家へ帰った
その日は最悪な雨の日だった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!